SLAによる症例①
7歳 9ヶ月(女)〔治療開始時〕
この症例は上顎骨は小さく後方にあり、骨格的問題の強い症例でした(ANB=-1.0°)上顎歯列では★の部分で乳歯の幅しかなく、永久歯抜歯のおそれのあるほどスペース不足がありました。
10歳 8ヶ月〔途中〕
治療開始から約3年で、上顎骨がSLAの作用により成長促進され、反対咬合が改善されたばかりではなく、不足していたスペースも獲得されバランスの良い歯列が出来つつあります。上顎SLAが各歯にきちんと接触し綺麗な歯列を形成しつつある事にご注目下さい。このような丁寧な治療を行う事により複雑な矯正装置が不要となるわけです。
14歳 10ヶ月〔保定(1年)終了時〕
上下12歳臼歯の咬合も完成させ、細部修正、特に僅かにあった下顎正中線の左への偏位も改善しました。装置による虫歯を作ることなく歯肉も健康的で歯根吸収もなくほぼ理想的な歯列が出来上がりました。咬合のバランスも良好です。
16歳 7ヶ月〔保定終了後約2年〕
14歳10ヶ月以降は全く装置を使用していませんが、ほぼ安定した歯列が維持されています。特にSLAでゆっくり上顎歯列を広げた事により実質的な上顎骨の成長促進が得られた事が、殆ど後戻りの生じなかった理由と考えられます。
21歳 10ヶ月〔保定終了後約7年〕
全く装置を使用せずに更に5年以上が経過しました。上顎ではスペース不足や反対咬合を治すため歯列が拡大されていますが、このようにほぼ安定しているのは成長を促しながら、SLAでゆっくりと治療を進めた賜物でしょう。但し全く矯正治療を受けなかった人でも歯並びは少しずつ狭くなってくるので、そのような自然な変化は避けられません。