Meeting

集会報告

SLA・Bimler 研究会第 1 回大会

2014年4月13日(日)10:00~16:30

SLA・Bimler 研究会発足に向けて

この度は SLA・Bimler 研究会発足にご賛同いただきまして、誠に有り難うございます。本研 究会は規約案にあるような理念の元、まずは Soldered Lingual Arch (SLA)や Bimler の装置による矯正 歯科治療を皆様で臨床実施、研究そして普及していくグループとし発足しようとしています。その発起 人として一言ご挨拶申し上げます。

SLA は故鈴木信夫先生(1936~1996)により 1977 年に初めて学会誌に掲載され、1987 年以降には アメリカ矯正歯科学会でも発表されています。また鈴木先生は愛知学院大学歯学部矯正歯科学講座に「講 師」として籍を置きつつも、いつからか諸般の事情で夜間のみ矯正歯科医院を開業されていました。私 は 1985 年に同講座に入局しましたので 11 年のお付き合いをさせて頂く間、その診療所を何回も見学し ましたが、鈴木先生は間違いなくノンブラケット矯正治療を行っていました。前後して私はこれらの治 療を修得しようと決心して以来、矯正歯科治療探求のため一時は大学に籍を置いた人間としてこれらの 治療を実践研究してきました。トラブルがあったり悪夢にうなされたり、その道のりは決して平坦なも のではありませんでしたが、今では安全な矯正治療を患者さんと心から共有出来たり、特に最近ではポ ストリテンションの患者さんの歯並びを見させて頂くにつれ、常に良好な結果ばかりとは言いませんが、 その歯や歯肉の健康さに感銘したりと、総じてこれらの治療を続けてきた喜びを噛みしめています。

これらの経験が原動力となり、今回研究会発足にまでエネルギーを発揮ことが出来ました。その原動 力のひとつは、やはり歯や歯肉の健康を維持しながら矯正治療出来ることです。鈴木先生が目指したよ うにこれらの治療では装置による齲蝕を発生することはまずなく、また院内調査ですが、SLA による歯 根吸収率はわずかに2%程度でした。また歯頸部の形にまで配慮した SLA の治療は歯を支える歯槽骨の 健康も推進し、本当に健康な歯列を目指すことの出来る数少ない矯正治療法と言えるでしょう。臼歯咬 合もよりタイトに出来る可能性があると思われます。もちろん反面、時間がかかる、患者さんの大きな 理解と協力が必要などの弱点もありますが、私は担当医の熱意とやる気をもってすれば乗り越えられる と信じます。これらの治療法がその目的を達成する唯一の治療法ではないでしょうから、私も皆様と共 に考え、よりベターを求めていきたいと願っています。さて本研究会の発足を持って、私が鈴木先生から受け取ったバトンを更に多くの方々へ手渡していく 時代となります。これらの治療を実践していくのは簡単ではないでしょうが、だからこそやりがいもあ り、他医院との差別化も生まれます。また多くの人々は我々が思っている以上に、より質の高い「健康」 を求めています。その願いにこれらの装置を通して答えていこうではありませんか!

平成 26 年 4 月 13 日 SLA・Bimler 研究会代表 伊藤率紀

SLA・Bimler 研究会準備委員会
伊藤率紀 成之坊靖子 落合法正 佃弘志 村井亜紀 伊藤さつき

タイムテーブル
9:30 受付開始
10:00 開 会
10:10~11:10 研究会発足の抱負
11:10~11:20 休 憩
11:20~12:15 研究会発足協議
12:15~12:20 記念撮影
12:20~13:15 昼 食
13:15~16:15 Brain Storming

13:15~13:45 演題1 口腔外科医が開業後,一から始めた矯正治療 -経験豊富な先生方に聞きたいこと-
中井歯科医院 中井英貴

13:45~14:15 演題2 PosterioropenbiteにおけるCRbiteの有効性
吉村歯科医院 吉村博

14:15~14:45 演題3 Bimler・SLAを試行錯誤しながら初めて応用した逆被蓋片側
臼歯偏位咬合症例 ささき歯科 佐々木誠

Coffee Break(15分)

15:00~15:30 演題4 私が手掛けてきた矯正方法の変遷 Bimler・SLA に出会うまで、そして将来への展望
なおと歯科 佐藤直登

15:30~16:00 演題5 ビムラーと SLA を用いて治療している上顎側切歯逆被蓋の2症例
なりのぼう歯科口腔外科クリニック

16:00~16:15 総括 伊藤率紀

16:15 ディスカッション

16:30 閉 会 17:00~19:00 懇親会
会場:愛知県名古屋市中村区椿町16-23 名駅ABCビル