Case

症例紹介

症例紹介

SLAとビムラーのコンビネーション①

日本歯科評論 2016年11月号掲載症例

 

9歳 3ヶ月(女)〔治療開始時〕

萌出している永久歯の幅は全て標準より大きく、逆に歯列幅は全ての部位で3mm前後狭かったため、強い叢生を呈していた。スペース不足量は前歯部では上顎-3.8mm下顎-2.6mmであった。

 

10歳 4ヶ月〔ビムラーの装置使用中〕

ビムラーを使用し、10歳7ヶ月に第一乳臼歯部で上顎2.2mm下顎1.9mmの拡大量が記録されている。

 

12歳 2ヶ月〔SLAによる歯列改善中〕

上下とも2mm程度の歯列拡大が得られたものの叢生改善には不充分であった。しかし歯列拡大は後戻りしやすいためこれ以上の拡大は避けるべきと考え、第二乳臼歯脱落後に萌出する永久歯が僅かにそれより小さい事から生じるスペースを利用するため、11歳6ヶ月頃ビムラーは中止し上下第1大臼歯を固定歯とするSLAを装着した。

 

15歳 5ヶ月〔SLAによる歯列改善中〕

SLAに矯正用バネや歯科用弾性糸を応用して、正中の偏位改善を含む各歯の不正を弱い力を用いて安全に改善し続けた。

 

16歳 11ヶ月〔保定1年後〕

 

これらの一連の矯正治療により、健全な歯と歯周組織を維持しながら整った歯列と良好な嵌合状態を得る事が出来た。