アンドレア・デレジブス教授特別講演
One Day Lecture SLA Bimler研究会第3回大会報告
GWの始まった4月26日、SLA Bimler研究会の第3回大会が名古屋で開催された。本大会の目玉は以前から何人かの会員と親交のあるデリジブス教授(イタリア トリノ大学咬合矯正歯科)による特別講演と、創立後1年が経過し実質的に初めての総会を開催することだった。成之坊靖子副会長による開会の辞ののち英語で教授が講演を開始され、佐藤直登先生と私が通訳を務めた。講演のタイトルは「Cranio-Mandibular Disorder What are they?」で、下顎頭蓋障害について時に熱く時に冗談を交えながら解りやすくし講演いただき、参加者は下顎頭蓋障害に関する最新知見を理解することができた。
総会では第2回大会をBarbara Bimler教授をお招きして開催したことやweb siteの立ち上げなどの事業と会計報告の後、本年度事業計画と予算が協議された。特に本年度事業では秋に行われる第4回大会を佐藤直登先生が大会長となり東京で開催する事が了承され、本研究会の更なる飛躍が期待された。また今後会費未納会員が出た場合の対処を執行部案通り可決したのち、本研究会の名称について協議した。これは創立後1~2年の活動を見て正式決定するとされていたもので、創立時の協議でも現在の仮称にある装置の名前ではなく「安全」や「健康」などの概念的な名前を好む意見があったり、SLAを「Safe, Low damage, Academy」などの言葉を表すものとしてはどうかという意見があったりした経緯があった。
今回の総会にあたり執行部で協議した結果、我々が目指す矯正治療は成長や生理的作用のような生体に優しい作用を応用するが、他の矯正治療でもBimlerに替わる機能的顎矯正装置を使って一時的にそのような治療を行う事があっても最終的にブラケットを使用するのが前提となっており、その意味ではSLAという言葉は外せないだろうという見解で一致し、結果的に現在の名前を正式名にすればよいのではという結論に達したため、これを執行部案として提案し総会で承認された。
その後伊藤竜太先生と大塚章仁先生による会員発表が行われた。伊藤会員においては、これまでの発表はBimlerに関する発表が殆どであったが今回初めてSLAに関連した症例を発表し、徐々にBimlerのみならずSLAも会員の治療に浸透しているのが実感されたものの、まだ細部には改善の余地があるので、一層の研鑽が期待された。また大塚会員はBimlerにより歯列拡大された大変きれいな3症例を発表したが、下顎第2大臼歯などの改善に今後SLAとのコンビネーションが期待された。
その後私が、Bimlerによりスペース獲得されても十分ではないときface bowと顎外固定装置を応用して上顎第1大臼歯を遠心移動する方法について解説した後、本大会も多くの技工士が参加したので、歯科医師とかれらのSLAのデザインを共有化するべく症例の見方のコツを解説し、この日の大会を終了し、その後の懇親会では再度デレジブス教授夫妻に参加していただき参加者の親交を温めることができた。
SLA・Bimler研究会 会長 伊藤率紀